手組みホイールが出来るまで(8): 組み立て作業・前輪の仮組み [手組ホイール]
いよいよホイールの手組みの作業を始めます。
後輪は「オチョコ組み」という、左右非対称な組み方をする為
まずは練習がてら、左右対称の前輪から始める事にしました。
これが前輪を組む為の部品です。
なんといってもロードバイクの科学は必須です
手組の作業の紹介は、写真多めでお送りします。
ホイールの組み方
ホイールの手組みは、リムとハブに全てのスポークを通す「仮組み」という作業から始まります。
今回、私が組むのはタンジェント組み(またはクロス組み)というスポークが交差する組み方です。
タンジェント組みにも4本組、6本組、8本組と異なる組み方があります。今回は最も基本的な6本組にしました。それぞれの違いについては、ロードバイクの科学に詳しい解説があります。
詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。
ホイール仮組み
色んなサイトやハウツー本を見ていると、仮組みを始める際、ハブに全てスポークを
通してからリムに通していく方法が多く紹介されています。プロの方はこの方法で組む事が多いようですが、私は混乱してしまいそうだったので
1本ずつ順々に通していきます。まずはR側、つまり自転車の右側面から見た側のスポークを張っていきます。
最初に注意する事は、リムのスポーク穴は交互に左右どちらかにオフセットしています。
ハブにスポークを通した側に近い方を通すようにします。2本ずつ交差するスポークをペアで組んで行くので、まずどこから始めるかを決めます。
バルブ穴を基準に始めるのが良いようですので、私はバルブ穴の左から始めました。6本組では交差する2本のペアは、ハブは4つの穴が間に入る様にスポークを通します。
つまり6穴間隔でペアになるので、6本組といいます。リム側は間に1つ穴が入ります。リムはバルブ横から始める事になりましたが、ではハブはどこから始めるべきでしょうか。
最も基準となるのが、ハブの「ロゴ」の様です。ライダーが座った位置から、ロゴが読める向きに。そしてロゴの上にバルブ穴が来るように
合わせて組むのが、プロの仕事だとか。
という訳で、下の写真の様にバルブ穴の真下にロゴが位置するようにしました。次の2本は、最初に通したペアからそれぞれ右側にずらして同じように組みます。
ハブ側は間に1穴入る様に、とばします。対してリム側は間に3穴入る様にとばします。
スポークのペアが交差する向きが必ず合うように、気を付けて組んで行きます。ところで、色んな方の手組ホイールに関するブログや、ハウツー本を見ていると多くの方が
スポークのネジ山に緩み止めなどを塗布しています。
これは手組の作業中にニップルの回りを良くする事と、乗っているうちにスポークが緩まない為の
対策の両方を含んでいると思いますが、塗付するケミカルは以下の様なものが使われています。1. ホイールスミス・スポークプレップ
2. DT Swiss スポークフリーズ
3. オイル
4. グリス一番評判がよいのは、1のホイールスミスというメーカーの、スポークプレップという製品ですが
日本では入手困難な様です。eBayなどの海外サイトを通して買う方法があります。スポークプレップを入手しようかとも思いましたが、今後スポークをグレードアップする計画も踏まえ
今回はロードバイクの科学に倣って、4のグリスにしました。スポークを通す際、指で1本1本グリスを塗布していきます。ニップルにもグリスを塗りました。
これはリムに対して、ニップルが回りやすくする為です。こんな要領で、どんどん組んで行きます。
R側の途中ですが、ハブ回りはこんな風になっています。組み方のパターンが判りますでしょうか。
パターンさえ押さえると、仮組みは意外と簡単に進んでいきます。
片側(R側)が組み終わりました!
続いて反対のR側を同様に組んでいきます。ところで、クロス組にもJIS組みとイタリアン組みという2通りの組み方があります。
私は今回、イタリアン組みにしました。イタリアンはR側とL側でスポークが交差する組み合わせが
左右対称になる組み方です。・・・説明が下手で申し訳ありません。要するに下の写真の様に矢印に沿って縦に伸びている
左右のスポークが両方とも内側を通っている様な組み方です。これが左右非対称だとJIS組です。イタリアン組だと、R側と交差する向きが逆になるので少し勝手が違いますが、すぐに慣れます。
同じ様にどんどんペアで組んでいきます。L側もできました! ここまで1時間くらいでしょうか。
と、ここで衝撃の事実。見事に失敗しているところがありました
下の写真で、バルブ穴の下のスポークが狭くなっているのが判りますでしょうか。
対して、左隣りのスポークは広くなっています。スポークの組み方のセオリーとして、バルブ穴の下のスポークは空気入れの為に
広くしておかなければならないのでした。L側はよかったのですが、R側の最初の2本位置を決める時に失敗してたのです。
しょうがないので、R側を全部ニップルを外してやり直しですでも、ひと通り慣れてきた作業なので、R側を張り直すのに10分程度でした。
今度こそ出来ました!今度はバルブ下が空いています
かくして前輪の仮組みが終わりました。
次の記事は前輪の振れ取りの作業です。
・手組みホイールが出来るまで(2): 振れ取り台 MINOURA True-Pro2
・手組みホイールが出来るまで(3): ロードバイクの科学
・手組みホイールが出来るまで(4): リム MAVIC Open Pro
・手組みホイールが出来るまで(5): ハブ SHIMANO 105
・手組みホイールが出来るまで(6): スポーク DT Swiss Champion 1.8
・手組みホイールが出来るまで(7): テンションメーター PARKTOOL TM-1
・手組みホイールが出来るまで(8): 組み立て作業・前輪の仮組み
・手組みホイールが出来るまで(9): 組み立て作業・前輪の振れ取り
・手組みホイールが出来るまで(10): 組み立て作業・後輪&完成
・手組みホイールが出来るまで(11): 走行テスト
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