「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」を読みました [自転車その他]
読書の秋(今日は立冬ですが・・)、という事で以前から読みたかった
ランス・アームストロング著 「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」 を読みました。
私がこの本を読む以前に、ランス・アームストロングについて知っていたのは
以下の様な事だけです。
・ 25歳で睾丸癌が発病する。生存率は20%
・ 手術後、癌は脳と肺にも転移していたものの、化学療法によって克服。
・ その後、奇跡的に復帰し、ツール・ド・フランスを7年連続制覇。そして引退。
・ 2009年復帰。ツール・ド・フランス総合3位。
この事実だけを見ると、癌という悲運に見舞われたものの、それを克服しただけでは
飽き足らず、あの過酷なツール・ド・フランスを7連覇してしまったスーパーマンぶりが
浮かびます。実際、私の持っていた印象はそんなものでした。
しかしこの自叙伝を読むと、そんなスーパーマンではない、生身の人間として傷つき
絶望し、そこから這い上がろうと、もがくアームストロングの人物像が明らかになります。
僕は口を開いては閉じ、また開いた。「癌なんだ。」
涙があふれてきた。
そしてその時初めて思った。僕は死ぬかもしれない。
失うのは競技生活だけじゃない。命だって失うかもしれないんだ。
「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」 から引用
こんな風に、アーム・ストロングが精巣癌である事を告げられ、絶望に伏すところから
本書は始まります。ここから彼の生い立ちを振り返ったあと、癌との闘病生活に続いて
いきます。化学療法によって、癌を克服したものの、再発の恐怖につきまとわれる日々
を経て自転車競技に復帰するまでの道のりが、本書のストーリーの大部分になります。
「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」というタイトルからは、やはりツール・ド・フランスを
連想してしまいますが、本書ではアームストロングが如何に「闘う」という意志を貫き
癌と向き合う事で、内面的に変化していく様が多く物語られています。
癌の闘病記の様に聞こえてしまうかも知れませんが、この本はアームストロングの成長
の記録を記したものに感じます。その成長の過程はどの瞬間を切り取ってもドラマティック
でエネルギーに満ちていて、最初から最後まであっという間に引き込まれてしまいました。
これは自転車乗りでなくても、読み応えのある内容だと思います。
来年はTEAM RADIO SHACKとしてツール・ド・フランスに挑むのでしょう。
今度はどんなドラマを見せてくれるか、今から楽しみです。
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